研究課題
平成24年度は本研究課題の最終年度なので、研究をまとめる活動を進めた。8月24日・25日には韓国・ヴェトナム・フィリッピンの研究チームの代表者を招いて国際シンポジウムを開催した。1日目は非公開で、各チームの研究成果の方向と、これをもとにした送り出し国と受け入れ国の国家と市民社会レヴェルの移住者、特に女性移住者の「人間不安全」問題を「人間の安全保障」の検知にたって報告し、海外チームと日本チーム間で、諸問題の比較を行った。2日目は特に日本に固有な諸問題について報告、移住者コミュニティの世代間の変容と差異化、移住者のアイデンティティの再生産についての親密圏と公共圏の複雑な関係、国籍と戸籍、移住者の多元的生活空間と市民権問題などについてなど討論を行った。この国際シンポジウムを準備し、国際的な研究成果を論文にするとともに、外部研究者はじめ移住者及びそのサポーターを一連の研究会を開いて、研究課題で取り上げた諸問題を日本社会中心に掘り下げた。開催した研究会は以下のとおりである。4月28日「国際シンポジウムの準備」、5月27日「在日新華僑社会の実態」、7月1日「移住者コミュニティの現状と実態、その共存可能性」、7月29日「日本法と国際法にみるレイシズム」、10月28日「国際シンポジウムの成果」、12月8日「研究計画全体を振り返る」。そして平成25年2月23日には、外部評価者を依頼してきた福岡県立大学、岡本雅亨教授を中心にして研究計画全体の総括評価研究会を開いた。研究対象領域についての問題発見的な側面では一定の成果を収めたこと、特に人間不安全の検知で送り出し諸国と受け入れ諸国の市民社会の役割について新しい知見がえられたことが高く評価された。しかし移住者差別が深刻化している今日の日本市民社会の現状に対応する一層の実態把握研究の必要性が強調された。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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立命館大学人文科学研究所紀要
巻: 99 ページ: 133-147
インパクション
巻: 186 ページ: 74-85