研究課題
本研究の目的は、社会福祉分野で近年強調されている自立についての規範的意味とソーシャルワークの実践との関係の検討を行うことである。研究実施計画に示したように、3つの研究ユニットを設置し集中的に討議しながら、研究例会(年度末の第4回研究例会は中間報告会も兼ねる)を通じて、ユニット間の研究連携を図った。第1のユニットである【自立をめぐる哲学的・臨床社会学的研究】においては、「ヌスバウムにおける自立の概念の研究」(河野)、「戦後日本の社会福祉政策と障害者運動における自立概念の相互作用過程」(研究協力者深田耕一郎)の研究を進め、哲学と社会学による自立概念について検討した。第2のユニット【障害と自立の比較制度分析】においては、「デンマークの失業保険制度」(菅沼・第2回研究例会報告)、「日本の生活保護と障害者」(研究協力者・田中聡一郎・第3回研究例会報告)についての研究を進めた。また「障害年金の現状と課題」(研究協力者・百瀬優)については中国で開催された国際学会にて報告を行い、アジア各国の研究者へその成果を報告した。第3のユニット【自立と地域の福祉社会学】においては、「ノーマライゼーション原理史」(河東田・第1回研究例会報告)、「精神科病床数削減のための指標」(研究協力者酒本知美・第4回研究例会=中間報告会報告)の報告があった。また「自立支援政策の分析」(庄司)「コミュニティ政策と住宅政策」(野呂)「母子世帯の自立支援政策」(湯澤)の研究を進めており、地域社会と福祉についての新たな関係を問い直している。これらの初年度の研究実績は、自立の観点から社会福祉の理念・制度・実践を再構成するものであり、各ユニットの基礎的情報を収集することができた点で、大きな研究成果をあげたと考えることができる。
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http://www.rikkyo.ac.jp/research/laboratory/ISW/index.html