研究概要 |
集積回路(LSI)では,それを構成するトランジスタが,ナノメートルオーダにまで微細化され,電子の量子力学的性質(波動性)や構成原子の個性が特性に影響を与えつつある.次世代トランジスタの候補として電流路をナノメータまで細くしたナノワイヤ(NW)トランジスタと呼ばれる構造が注目されているが,消費電力を増大させる原因となるリーク電流などスイッチング特性の劣化や消費電力の増大,製造誤差の拡大のために新材料や新構造を用いたデバイスの必要性が高まっている.本研究ではリーク電流を低減し,LSI の消費電力を低減するために,新たに量子力学的な原子レベルのシミュレータを開発し,それを用いて新しい構造のトランジスタが実現可能であることを明らかにしている.
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