研究概要 |
百日咳菌(Bordetella pertussis)に代表されるボルデテラ属細菌は, III型分泌装置(type III secretion system ; T3SS)を利用して,エフェクターと呼ばれる病原因子を宿主の細胞内に注入する。宿主に移行したエフェクターは,宿主側因子と相互作用することで病態発症に関与している。本研究では百日咳菌の類縁菌である気管支敗血症菌を用いて,新規エフェクターを同定し, BspR(Bordetella secreted protein regulator)と命名した。このエフェクターの機能解析を行ったところ, i)宿主細胞の核内に移行後,宿主側因子であるhnRNP Hと相互作用すること, ii)菌体内ではT3SSやその他の病原因子をグローバルに調節する転写制御因子であること,を明らかにした。
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