研究分担者 |
河瀬 真琴 (独)農業生物資源研究所, ジーンバンク, 研究主幹 (00192550)
MATTHEWS Peter 国立民族学博物館, 研究部, 准教授 (70281590)
阿部 健一 総合地球環境学研究所, 研究推進戦略センター, 教授 (80222644)
西川 芳昭 名古屋大学, 国際開発研究科, 教授 (80290641)
松井 健一 筑波大学, 生命環境系, 助教 (50505443)
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研究概要 |
僻地の在来植物遺伝資源の多様性調計画の検討のため渡邉,河瀬,西川、香坂はインターネット会談や直接の面談を行った。香坂と松井の分析支援を受け、Matthews及び院多本による現地との調整を行った。今年度は,筑波大学の学内補助も受け、ミャンマーとラオス国境及びミャンマーとタイ国境は渡邉及び院多本が平成22年11月に調査を行った.また、ミャンマーと中国雲南省国境も平成22年11月及び3月に渡邉が調査した。平成23年3月には2週間に渡り,河瀬を中心に渡邉が現地支援及び西川の日本での後方連絡支援を行い,ミャンマー北部カチン州スンプラブン周辺の少数民族地帯の焼き畑を現地調査した.中国とはことなり、リス,ラワン、モン、アカなどの個別の少数民族群として考えられていたグループは,一律ジンポー語を話す同一の集団として認知され,それぞれの少数民族名と考えられていたものは氏の様態をとっている事が認知された。また、乾期に於いても野菜は、裏庭等で捨て植えされており、年間を通じて野菜類は多様な使用がある事が認められた。ショウガ科植物で,種は未同定であるがstone gingerなる野生の薬用植物を数点収集し,ほか、Boesenbergia属等のショウガ科薬用植物を収集し,ミャンマー政府と協同研究契約と材料譲渡契約に基づき、日本へ分譲を受けた.日本に導入した材料は、渡邉が多様性解析に供試した。Boesenbergia rotundaモノグラフを作成した。なお、西川のミャンマー現地調査については,現地での季節外れの豪雨と土石流で通行困難であったため、H23年11月に繰り越しとした。ラオス北西部、ミャンマー東部及びタイ北部国境について市場及び農村調査を行った。事前に渡邉及び河瀬が現地との情報交換を周到に行い、天候や道路事情に影響されない様に旅程を組んだ。雑穀類や在来野菜に在来品種が使われている事がミャンマー側(東部シャン州)では顕著である。しかし、種子の保存や利用は国境(タイーミャンマー-ラオス)を越えて種子交換があり、経済活動が民族伝統文化独自性を凌駕している可能性を示唆した。
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