研究概要 |
まず重き付き加法形モデル(相互作用モデル)の適用条件の抽出を行い,次いで建物壁面色彩を(評価の高い)暖色系に固定した上で建物形態に変化を与えたときの都市景観評価の問題に,3次元動画像の時期列解析手法を用いて意識構造分析を行った.その結果,次の知見が得られた. 1. ピリオド刺激間に結合演算を認めるとき,分離単調性と分離等価性という2つの条件が重み付き加法形モデルを保証する. 2. 建物壁面色彩の統一性を重視する群および重視しない群の両方において,無秩序に建物形態に変化を与えるよりも,各街区内では建物形態を同一に保ち街区間でのみ変化を与える街並みが望まれる. 3. 統一性を重視する群では上の街並みの変化を統一感として捉えるのに対して,統一性を重視しない群では適度な変化として捉えることが評価の向上を促す原因であると考えられる. ベイジアンネットワークを用いて,一対比較判断時の眼球運動特性から選好再現率を予測するモデルを構築した.一対比較刺激として,トップスとパンツのコーディネート評価得点の高低(High or Low)によって,HHケース,HLケース,LLケースを設定した.その結果,次の知見が得られた. 1. 3か月間隔での選好再現率は,HHケースとLLケースではほぼ0.5であり,HLケースではほぼ0.6である.予測的中率は全てのケースにおいて0.65程度であり,それ程高いとは言えない. 2. 予測的中率が高くない理由として,各ケースにおいて再現率の高い見方に共通性が見られないことが挙げられる.実際,HLケースとLLケースでは類似の傾向が見られるが,HHケースでは異なる見方をする.
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