研究概要 |
空間疫学においては,地理情報を反映したスキャン統計量の多重性調整p値の評価が必要である.しかしこの計算には高次元積分が必要なため,正確に数値計算を行うことは困難とされている.またモンテカルロシミュレーションでは精度良くおこなうことができない.本研究では,スキャン統計量の地理情報に基づく相関構造をグラフで表し,そのグラフからマルコフ性を抽出することによって,数値計算を逐次的な計算に帰着させる方法を開発した.提案法は計算量を大きく低減することが確認できたが,一方で実データに対しては実用的な計算時間で計算できるものではなく,今後実用化に向けた研究が必要であることが分った.
|