脳卒中慢性期片麻痺患者に対する経頭蓋直流電気刺激下ロボット補助訓練において、刺激電極の極性の違いによる効果の違いについて検討した。重度の片麻痺上肢を有する慢性期脳卒中患者18例に対するクロスオーバー二重盲検無作為化臨床試験を実施し、障害測大脳半球を陽極刺激する場合(tDCS(a))および健常側大脳半球を陰極刺激する場合(tDCS(c))を比較したところ、遠位部上肢の痙縮に関して、右大脳半球障害を有する例では、tDCS(a)よりtDCS(c)の改善度が有意に大きく、右大脳半球障害例ではtDCSの極性による効果の違いが確認され、改善には健常側である左大脳半球(優位半球)よりの半球間抑制の関与が示唆された。
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