• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2011 年度 実績報告書

伝統的な地域スポーツ・イベントの記録とまちづくりのための活用に関する調査研究

研究課題

研究課題/領域番号 21500602
研究機関高知県立大学

研究代表者

清原 泰治  高知県立大学, 文化学部, 教授 (00225096)

研究分担者 五百蔵 高浩  高知県立大学, 文化学部, 教授 (00254607)
キーワード市町村民運動会 / 奉納相撲大会 / 地域社会の再生産 / 高知県
研究概要

仁淀川町池川地区で1955年から実施されてきた池川町民運動会について、「広報いけがわ」に見られる記事を分析した。旧池川町は「昭和の大合併」において高知県内の市町村で唯一合併できなかった自治体である。そのため町民の「融和」によって町勢の維持を図ろうとしており、「融和」の手段として運動会が始まっている。一方、合併を果たした旧西土佐村では、新しい村民たちの「融和」を実現するために1958年から村民運動会を実施した。ところが、両運動会とも実際には競技結果を巡って地域間の対立が生じ、主催者は競技種目や実施方法を工夫しすることで運動会による「融和」を実現しようとした。
高知新聞に掲載されていた1950年代から1960年代にかけての運動会の記事を収集し分析することで、高知県内では市町村の他に、職域や地域、市民団体などがさまざまな運動会を実施していたことが明らかになった。この時期、運動会は「融和」の手段として重要な社会的機能を有していたことがわかる。運動会に関する研究成果は論文にまとめて公表した。
高知県本山町上関地区の相撲大会は、江戸時代に始まる伝統的な奉納相撲である。二度の中断を経て、同地区の青年たちが昭和50年に「上関阿弥陀堂奉納相撲実行委員会jを結成して復活させている。寄付金を募って運営費をまかない、住民の奉仕作業で相撲場を整備して、今日まで大会を継続してきた。関係者の証言によれば、そのような活動の中で、若者たちは「先輩」と呼ばれる年長者に礼儀作法や社会性を学ぶとともに、地域の若者たちが大会の成功に向けて共同作業することで地域の一体性を認識し、地域社会の再生産が図られてきたことが明らかになった。本調査研究の成果は、地域のまちづくりを進めるにあたって、地域の共有財産とする必要性があると判断し、パンフレットに成果をまとめて、上関地区の全戸に配布する予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2012

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 1950~1960年代の高知県における市町村民運動会2012

    • 著者名/発表者名
      清原泰治
    • 雑誌名

      高知県立大学紀要(文化学部編)

      巻: 第61巻 ページ: 1-10

    • 査読あり
  • [学会発表] 1950~1960年代の高知県における市町村民運動会について2012

    • 著者名/発表者名
      清原泰治
    • 学会等名
      四国体育・スポーツ学会
    • 発表場所
      高知大学(高知県)
    • 年月日
      2012-03-03

URL: 

公開日: 2013-06-26  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi