本研究の目的は、星空を含む夜の全天をライブ中継する「星空ライブ」システムを構築し、星座の観察、星の運動、太陽の動きを理解する教材を開発し、既存の「全天ライブ」、「月ライブ」、「金星ライブ」とともに、小中学校で観察する天体はインターネットを介してライブ観察できる環境「統合星空観察ライブシステム」を整備し、学校教育での活用を評価することである。 1.「星空ライブ」の構築 (1)星空ライブシステムの構築:代表的な星座の撮像が可能な高感度ビデオカメラと魚眼レンズを導入し、星空ライブカメラを構築、ネットワークビデオサーバーを介し、星空のライブ映像をインターネット配信するとともに画像蓄積サーバーに星空の全天画像を定期的に蓄積するシステムを構築した。 (2)国内での設置・運用:星空ライブシステムを宮城教育大学屋上に設置し、仙台の星空をホームページ(http://sky.miyakyo-u.ac.jp)で公開し、長期運用テスト中である。さらに、星空ライブカメラを国内(石垣島)に設置し運用開始するための準備を行った。 2.「月ライブ」・「金星ライブ」運用の簡易化 天体ライブシステム設定の自動化:現在手動で実施しているライブ望遠鏡の初期設定や月・金星の追尾運用を、天文台ルーフのインターネットによる自動開閉制御と望遠鏡の初期設定制御により遠隔から初期設定が可能となり、長時間・期間にわたる「月ライブ」「金星ライブ」公開のための基礎を作った。
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