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2010 年度 実績報告書

線香粘結剤タブ粉を通してみた東南アジア大陸部の森林利用と日本の里山利用の関係性

研究課題

研究課題/領域番号 21510263
研究機関名古屋大学

研究代表者

横山 智  名古屋大学, 環境学研究科, 准教授 (30363518)

キーワード森林利用 / 東南アジア大陸部 / 里山 / タブノキ / 線香粘結剤
研究概要

平成22年度は,8月にラオス北部ルアンパバーンと首都ヴィエンチャンでタブノキ植林および採取状況について調査を実施した。その結果,北部よりも南部で地域住民の現金収入源としてタブノキが植林され,主としてベトナムおよびタイに輸出されていることが明らかになった。
また,国内産地である宮崎県都城周辺の調査については,採取が行われる冬季の調査を予定していたが,新燃岳の噴火によって,調査実施が不可能になってしまった。したがって,8月の調査結果でラオス南部のタブノキ採取の情報を得たので,当初の予定を変更し,3月にラオス南部カムワン県,ボリカムサイ県,サワンナケート県を調査した。その結果,サワンナケート県においてタブノキ植林が2000年あたりから焼畑による陸稲栽培の代替手段として積極的に導入され,ベトナムに輸出され始めたことを明らかにすることができた。南部でのカジノキの樹皮採取方法は,昨年調査したラオス中部の方法と異なっていた。中部では,樹皮の1/3だけを採取して木を枯らさないように工夫していたが,南部では,植林後に樹皮が採取できるほどの大きさになった樹木(約7年生)を全て伐採するという方法であった。一見,持続的ではないと思われたが,伐採した切り株から自然に萌芽して,7年後には,1本の切り株から4~5本の樹木が再生する。農民はこれまでの経験から,このようになることを分かっており,この方法を採択している。なお,樹木の生長を促すために,1本の切り株からの萌芽を3本までに抑えるように剪定を実施していることも分かった。ラオス南部におけるタブノキ採取の方法に関しては,土地利用や採取方法,そして流通などを次年度に詳細な調査を実施する。

  • 研究成果

    (12件)

すべて 2011 2010 その他

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (6件) 図書 (4件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] タイとミャンマーにおける無塩大豆発酵食品の製法と植物利用の特徴2010

    • 著者名/発表者名
      横山智
    • 雑誌名

      2010年人文地理学会大会研究発表要旨

      ページ: 90-91

  • [学会発表] ラオスの環境問題:森林資源・人間活動・環境政策の諸相と動態2011

    • 著者名/発表者名
      横山智
    • 学会等名
      第6回名古屋大学高等研究院レクチャー
    • 発表場所
      名古屋大学
    • 年月日
      2011-03-29
  • [学会発表] 東南アジア大陸部の統計未整備地域におけるフィールドワーク2011

    • 著者名/発表者名
      横山智
    • 学会等名
      第8回地理空間学会例会
    • 発表場所
      筑波大学
    • 年月日
      2011-01-24
  • [学会発表] タイとミャンマーにおける無塩大豆発酵食品の製法と植物利用の特徴2010

    • 著者名/発表者名
      横山智
    • 学会等名
      2010年人文地理学会大会
    • 発表場所
      奈良教育大学
    • 年月日
      2010-11-21
  • [学会発表] 焼畑再考-焼畑は環境破壊の原因か?2010

    • 著者名/発表者名
      横山智
    • 学会等名
      人文地理学会第10回公開セミナー
    • 発表場所
      近畿大学
    • 年月日
      2010-10-16
  • [学会発表] モンスーンアジアの焼畑と自然資源利用2010

    • 著者名/発表者名
      横山智
    • 学会等名
      名古屋大学博物館第14回特別展熱帯林-多様性のゆりかご-特別講演会
    • 発表場所
      名古屋大学
    • 年月日
      2010-08-05
  • [学会発表] 東南アジア大陸部の無塩発酵大豆食品の分布と地域的特徴2010

    • 著者名/発表者名
      横山智
    • 学会等名
      日本地球惑星連合2010年大会
    • 発表場所
      幕張メッセ国際会議場
    • 年月日
      2010-05-25
  • [図書] 「焼畑民の暮らし-複合的な生業形態とその変化」菊池陽子・阿部健一・鈴木玲子編『ラオスを知るための60章(エリアスタディーズ85)』2010

    • 著者名/発表者名
      横山智
    • 総ページ数
      57-61
    • 出版者
      明石書店
  • [図書] 「現金収入は魅力的-商品作物栽培」菊池陽子・阿部健一・鈴木玲子編『ラオスを知るための60章(エリアスタディーズ85)』2010

    • 著者名/発表者名
      横山智
    • 総ページ数
      94-98
    • 出版者
      明石書店
  • [図書] 「非合法アヘン生産」菊池陽子・阿部健一・鈴木玲子編『ラオスを知るための60章(エリアスタディーズ85)』2010

    • 著者名/発表者名
      横山智
    • 総ページ数
      106-108
    • 出版者
      明石書店
  • [図書] 「観光立国に向けて-エコツーリズムの可能性」菊池陽子・阿部健一・鈴木玲子編『ラオスを知るための60章(エリアスタディーズ85)』2010

    • 著者名/発表者名
      横山智
    • 総ページ数
      109-113
    • 出版者
      明石書店
  • [備考]

    • URL

      http://www.geog.lit.nagoya-u.ac.jp/yokoyama/index.html

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公開日: 2012-07-19  

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