(1)九州南部におけるタブノキの採集活動に関する現地調査 2011年9月に鹿児島県大隅半島において、かつて現地住民が採取したタブノキを買い取り、製粉した後に線香製造会社に販売していた会社、および現在採取している住民に対する聞き取り調査を実施した。今回の調査では、盛んにタブノキが採集されていた時代(~1970年代ころまで)の採取方法、販売先、製粉工場の数など、資料では入手困難な情報を聞き取りで入手することができた。また、現在でも東南アジアからタブノキを輸入して製粉している宮崎県都城市の製粉工場でも調査を行い、九州南部のタブノキ採取の歴史について理解することができた。 (2)日本の線香製造企業のタブ粉輸入量の推定 2011年4月に東京の大手線香製造業、2011年11月に福岡のタブ粉輸入企業、2012年2月に和歌山県の蚊取り線香製造企業に対し、タブ粉輸入および利用状況に関して聞き取り調査を実施し、とくに製造企業がタブ粉を輸入に頼っている現状について、数値データなどを入手した。 (3)ラオスにおけるタブノキ植林と採集に関する現地調査 ラオス南部サワンナケート県セポン郡の3つの村落において、タブノキ、バナナ、ラタン、陸稲などを1カ所の土地で植栽するアグロフォレストリー的な土地利用を実践している状況を調査した。この土地利用では1~2年目は陸稲、3~6年目はバナナ、7年目にタブノキとラタンを収穫できる。調査では、村長に対して社会経済的な聞き取りを実施し、加えて実際の植林地4カ所において、樹幹投影図を作成し混作状況などをデータ化した。簡
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