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2010 年度 実績報告書

話しことば資料に基づく日本語の他動構文の研究

研究課題

研究課題/領域番号 21520484
研究機関和光大学

研究代表者

福島 みどり (天野 みどり)  和光大学, 表現学部・総合文化学科, 教授 (10201899)

キーワード他動構文 / 格助詞ヲ / 対格 / 接続助詞的ヲ / 語用論 / 構文 / 類推 / 文脈
研究概要

本研究では話しことば資料に基づき逸脱的特徴を持つ文を考察し、それらが類推によって成り立つことを明らかにした。こうした創造的な解釈は、顕在化している述語句の形式が表す語彙的意味と重ねて、ベースとなる構文の意味を重層的に解釈したものである。
(1)接続助詞的なヲの文(例:やろうとするのを、手をふった)ベースとなる構文:〈方向性制御〉他動構文(「AガBヲサエギル」など)解釈される意味:抽象化された、自然な流れに対する意図的な〈対抗動作性〉
(2)状況ヲ句文(例:雨の中を頑張った)ベースとなる構文:〈移動対抗動作〉他動構文(「AガBヲ突破スル」など)解釈される意味:抽象化された、逆境に対する意図的な〈移動・対抗動作性〉
(3)逸脱的な〈何ヲ〉文(例:何を文句を言ってるの)ベースとなる構文:〈スル〉型他動構文(「AガBヲスル」)解釈される意味:主体にその事態の成立の責任が帰せられるような、抽象化された意図的他動行為ベースとなる疑問詞疑問文:〈何ヲ〉型疑問疑問文(「何ヲスル?」)
(4)逸脱的な〈何ガ〉文(例:何が彼女がお姫様ですか)ベースとなる構文:名詞述語文(「AガBダ」)解釈される意味:名詞(B)相当の意味ベースとなる疑問詞疑問文:〈何ガ〉型名詞述語文(「何ガBダ?」)

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 他動構文の意味-拡張した「ーガーヲ文」の意味解釈を通して-2011

    • 著者名/発表者名
      天野みどり
    • 雑誌名

      KLS Prosceedings

      巻: 30 ページ: 291-302

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 拡張名詞述語疑問詞疑問文-「何が彼女がお姫様ですか」2011

    • 著者名/発表者名
      天野みどり
    • 雑誌名

      表現学部紀要

      巻: 11 ページ: 11-22

  • [雑誌論文] 古代語の接続助詞的なヲの文2010

    • 著者名/発表者名
      天野みどり
    • 雑誌名

      新潟大学国語国文学会誌

      巻: 52 ページ: 1-13

  • [雑誌論文] 現代語の接続助詞的なヲの文について-推論による拡張他動性の解釈-2010

    • 著者名/発表者名
      天野みどり
    • 雑誌名

      日本語文法

      巻: 10(27) ページ: 6-92

    • 査読あり
  • [学会発表] 拡張名詞述語疑問詞疑問文-「何が彼女がお姫様ですか」2010

    • 著者名/発表者名
      天野みどり
    • 学会等名
      関東日本語談話会
    • 発表場所
      学習院女子大学
    • 年月日
      2010-12-04

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公開日: 2012-07-19  

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