研究課題/領域番号 |
21520584
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研究機関 | 愛知県立大学 |
研究代表者 |
堀田 英夫 愛知県立大学, 外国語学部, 教授 (90128637)
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研究分担者 |
川畑 博昭 愛知県立大学, 日本文化学部, 准教授 (50423843)
ガルシア アナ・イサベル 愛知県立大学, 外国語学部, 准教授 (20584072)
塚原 信行 京都大学, 高等教育研究開発推進機構, 准教授 (20405153)
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キーワード | 外国語 / 法社会学 / 教育内容 / スペイン語 / 定住外国人 |
研究概要 |
ペルーのある刑事事件に関する一件文書を入手し、それらを仔細に分析することによって、ペルーにおける法律スペイン語の構造を言語学的に明らかにした。法律スペイン語の一断面を、関連する法制度に位置づけながら、「法律スペイン語」と位置づけられる専門用語と同時に、日常の慣用句が「法の世界」において担わされる意味を、「法」という国家の公共空間で解き明かした。ここでは対象とするスペイン語が、「法(律)」という<一般的な公的空間>のものであると同時に、刑事事件という<特定の法領域>のものである点を考慮し、市民の国家法空間への参入(とりわけ公判廷)、規範強制力の担保、権威の付与といった性格を剔抉した。 定住外国人が多く居住している地域では、スペイン語の中でもペルーのスペイン語が、異文化間の仲介と法律・教育・医療分野や自然災害時の通訳翻訳の対象となっているため、ペルー・スペイン語の研究を継続し、今年度は、主に待遇形式の地域差および人称代名詞の特徴を明らかにした。また、外国語としてのスペイン語教育に組み込むために、スペイン語圏の国々の法律スペイン語の違いや、翻訳通訳のための法律分野スペイン語を分析する際の理論と方法を考察した。 日本の司法通訳の研修や現場を観察した結果については、実際の運用は必ずしも言語学的合理性に従っているわけではないといった問題点を見た。これらの点については事例が限られているのでさらなる観察と、別の観点から考察することが必要であることがわかった。
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