本研究の目的は、ハワイ最初の和太鼓グループであるハワイ祭太鼓の誕生から現在に至るまでの民族誌を著わすことである。ハワイを含めた北米における和太鼓グループはヨコの繋がりが強く、ハワイ祭太鼓の民族誌を著わすことにより、ハワイの和太鼓グループ全体の活動の概要、および米本土や日本のグループとの交流について明確にすることができる。 研究方法としては、(1)文献、雑誌、新聞記事、演奏会やワークショップで使用した紙媒体の資料の収集、(2)演奏会やワークショップ等を記録したビデオ、録音テープ、および発売したCD等の映像音響資料の収集、(3)演奏活動についての参与観察、(4)担い手へのインタビューである。平成21年度は初年度にあたるため、(1)と(2)の収集を試みたところ、特にビデオの記録資料が非常に多く数百本にのぼることがわかった。これらのビデオ資料が重要であるため、ハワイ祭太鼓の代表者の理解と協力をえて、劣化の激しいビデオ資料をDVDにコピーし、目録を作成する作業が40パーセントほど進み、そこから1980年代のハワイ祭太鼓の活動を知ることができた。また(3)として夏の間にハワイ各地の日系仏教寺院で行われる盆踊りのインターミッションとしての和太鼓のパフォーマンスを参与観察した。 以上、初年度の主な成果は1980年代のハワイ祭太鼓の活動記録、および映像音響資料の整理であった。
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