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2011 年度 実績報告書

海事法における責任制限のための手続的ルールに関する基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 21530075
研究機関東京大学

研究代表者

藤田 友敬  東京大学, 大学院・法学政治学研究科, 教授 (80209064)

キーワード商法 / 海商法 / 船主責任制限法 / 国際私法 / 国際民事訴訟法
研究概要

研究開始の最終年度である平成23年度は,前年度までにおこなった国際条約に基づく責任制限の実施にかかる手続に関する各国法制の多様性の調査結果に関する分析を踏まえ,最終的な成果発表に向けた成果取りまとめを行った.具体的には,(1)責任制限手続開始のための期間制限の有無,(2)責任制限の効果,(3)責任制限手続への参加の期間制限と時期に遅れた参加の効果,(4)制限債権の確定手続・債権の存否・額に関する異議の制度,(5)責任制限手続と破産制度の関係といった点についての調査結果をまとめる,また,また国際民事手続法・国際私法に関わる一般的な論点もあわせて検討した.
なお近時,油濁損害にかかる民事責任制限条約(わが国では船舶油濁損害賠償保障法)に基づいて責任制限基金が形成された場合に,基金限度額を超える(しかし国際油濁補償基金の限度額にはおさまる)ことが明白な場合に,各被害者(債権者)に按分額を支払うのではなく,被害額全額を支払い,基金限度額まで支払った後は,債権者に対して国際油濁補償基金に支払ってもらうようにするという形で,迅速な支払いを実現する実務慣行があること,ただそれが続けられるために各国裁判所における責任制限基金の扱い等で,適切なバックアップが必要であるという問題提起が,P&I保険国際グループによって提起されている.本研究では,この問題も検討対象に加えたが,現段階では国際油濁補償基金における議論が迷走しており,実務的な進捗は見られない.このため本研究においても問題点の指摘・分析にとどまった-第2に,1996年議定書によって改正された海事債権についての責任の制限に関する条約についての改正手続の最終段階に入っており,平成24年4月には際額される見込みであるので,その結果をフォローすることにしたい.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Shipper's Obligations and Liabilities under the Rotterdam Rules2011

    • 著者名/発表者名
      Tomotaka Fujita
    • 雑誌名

      University of Tokyo Journal of Law and Politics

      巻: Vol.8 ページ: 59-81

  • [学会発表] ロッテルダム・ルールズとアジア太平洋諸国・日本2011

    • 著者名/発表者名
      藤田友敬
    • 学会等名
      アジア太平洋地域におけるロッテルダム・ルールズ
    • 発表場所
      海運クラブ国際会議場(東京都)(招待講演)
    • 年月日
      2011-11-22
  • [学会発表] 責任期間と複合運送人的側面2011

    • 著者名/発表者名
      藤田友敬
    • 学会等名
      アジア太平洋地域におけるロッテルダム・ルールズ
    • 発表場所
      海運クラブ国際会議場(東京都)(招待講演)
    • 年月日
      2011-11-21
  • [図書] The United Nations Convention on Contracts for the International Carriage of Goods Wholly or Partly by Sea : An Appraisal of the "Rotterdam Rules" ("Obligations and Liabilities of the Shipper"を執筆)(Meltem Deniz Guner-O zbek, ed.)2011

    • 著者名/発表者名
      Tomotaka Fujita
    • 総ページ数
      211-228
    • 出版者
      Springer

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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