研究概要 |
●研究目的 本研究は,死別した家族成員のメンバーシップ,すなわち死別した家族成員が遺された家族のなかでどう位置づけられているかを明らかにすることを目的としている.死者と生者との「相互作用」あるいは「紐帯」,「絆」が生者の人生とどうかかわっているのか,「近代家族」における死者の位置付けを調査票調査とインタビュー調査より明らかにする. ●研究方法 まず,社会学のみならず,民俗学や人類学,宗教学,心理学,保健医療の分野まで幅広く先行研究の検討を行う.その結果を踏まえ,(1)成員喪失後の家族の軌跡の調査票調査,(2)グリーフケアの実践家および対象者のインタビュー調査を実施し,「近代家族」における死者の位置付けを解明する. ●研究成果 本年度(平成22年度)は,11月に(1)成員喪失後の家族の軌跡の調査票調査,(2)グリーフケアの実践家および対象者のインタビュー調査を実施する予定であったが,研究代表者の体調不良により,調査そのものは翌年度(平成23年度)に実施した.平成23年3月に発生した東日本大震災の影響を鑑み,調査票調査の対象・質問項目に変更を加えた.すなわち,調査対象者の心理的負担を考慮し,調査対象は平成24年3月31日時点で55歳から69歳の大阪府内在住の男女とし,調査方法もインターネット調査に切り替え,調査実施時期も可能な限り遅くした.実際の調査は平成24年3月6日に登録モニター5,685件に配信し,同年3月12日までの1週間を回答期間とした.回収されたのは1,733件(回収率30.5%)であり,現在データクリーニングを行い,分析に取り掛かっている.
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