本研究の目的は、精神障害者が教育機関に出向き、精神疾患の好発時期にある中学生・高校生に病いの体験を語る活動の有効性を明らかにすることである。その結果、精神障害当事者の語りを聞いた中学生・高校生は共生社会の実現に対する意識の向上がみられ、精神障害当事者自身にも「アウトカムとしてのリカバリー」「エンパワメント(自分の内側から回復する力)の育成」「社会改革への意識の覚醒」などがみられた。このことから、中学生・高校生の精神保健福祉教育では、精神障害当事者の病いの語りを取りいれたプログラムが有効的といえる。
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