新学習指導要領では小学校5・6年で週1コマ「外国語活動」を実施することになった。本研究は公立小学校教員の外国語活動指導力のアップに繋がる授業評価方法を確立することを主眼とし、その具体的方法として、小学校外国語活動に相応しい観察シートの作成を目指している。 21年度は、小学校教員のみによる外国語活動を20クラス分ビデオ撮影し、談話分析、改良版COLT(Communicative orientation of language teaching observation scheme)をベースにした授業観察シートによる分析、また、授業関係者へのインタビューやアンケートの回答をmatrixを用いて分析する予定であった。しかし、分析までは至っていない。その理由は二点ある。一点は、小学校教員のみによる授業を実施した研究協力校が少なく、得られたデータは、14クラス分であった(当初の予定は20クラス分)ことである。二点目は、授業観察シートで得られる数値データの分析方法の見直しを優先したことである。長年研究をすすめてきた中学校教育実習における実習生の授業(英語)分析のための観察シート(日本版COLT)のデータ分析の見直しを図った。被験者から得られた数値をラッシュ・モデルをもとに見直し、その結果得られたデータを再度分散分析した。この方法により、より正確な数値分析が可能になった。(この結果を博士論文として提出できるに至った。すでにTemple University Japanに提出済み、22年度中に発行予定。)今後は、この手順で数値データの分析を行う。 22年度は、小学校教員のみによる外国語活動の授業に加えて、横浜国立大学付属小学校におけるティーム・ティーチングの授業も研究対象として加えていき、データ収集(ビデオ撮影、インタビュー、T1とT2の提出する報告書等)と分析を実施する予定である。
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