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2009 年度 実績報告書

数論的問題から生じる誤差項の解析的研究

研究課題

研究課題/領域番号 21540012
研究機関名古屋大学

研究代表者

谷川 好男  名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 准教授 (50109261)

キーワード数論的関数 / 約数問題 / 円問題 / チャウラ-ワールムの和 / ヴォロノイ公式 / 2乗平均 / 多重ゼータ関数
研究概要

約数関数d(n)のxまでの和から生する誤差項Δ(x)及びその2乗を係数とするディリクレ級数を考え,それらの解析接続,極の位置,留数などを決定した.更にΔ(x)の2乗平均に関するラウとツァンの有名な結果との比較をおこなった.またd(n)Δ(n)を係数とするディリクレ級数についても解析的な性質を調べた.その応用として従来扱うことのできなかった多重ゼータ関数に対して,絶対収束域を超えて接続できることなどを証明した.これは大きな成果であった.またΔ(x)の変形メリン変換ともいえる積分の具体的な形を,平均値定理を使わない初等的な議論によって導いた.入っている複素パラメータがある領域にあるときは積分は発散する.そこでxまでの有限積分を考え,xに関する挙動を詳細に調べた.それを解析するために,2つの周期的ベルヌーイ関数の積を被積分関数とするような積分について新しい評価式を導出した.これは次に述べるチャウラ-ワールムの和とも関運していて非常に興味深く,今度の研究に大いに有用であると思われる.
チャウラ-ワールムの和はディリクレの約数問題と深い関係にある.我々はチャウラ-ワールムの和に対してヴォロノイ型の表示を導出し,それを用いてチャウラ-ワールムの和の2乗平均の漸近式を得ることができた.これは従来知られていた上からの評価を改良したものであり,チャウラ-ワールムの予想が平均的には成立していることを示すものである.またその応用として,Δ(x)の2乗平均の簡単な証明を与えた.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Analytic properties of Dirichlet series obtained from the error term in the Dirichlet divisor problem2010

    • 著者名/発表者名
      J.Furuya, Y.Tanigawa
    • 雑誌名

      Pacific J. Math. 245

      ページ: 239-254

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Fourth power moments of Δ(x)and E(x)for short intervals2009

    • 著者名/発表者名
      Y.Tanigawa, W.Zhai
    • 雑誌名

      International J. Number Theory 5

      ページ: 355-382

    • 査読あり
  • [学会発表] 約数問題の誤差項を係数に持つDhrichlet級数の性質について2010

    • 著者名/発表者名
      谷川好男, 古屋淳
    • 学会等名
      日本数学会年会
    • 発表場所
      慶應義塾大学
    • 年月日
      2010-03-26

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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