研究概要 |
今年度の研究は「数論的関数とCode」に限定した。2012年に刊行した村田-神谷の共著論文(Relations among arithmetical functions, automatic sequences, and sum of digits functions induced by certain Gray codes, J. Theorie des Nombres de Bordeaux)において、Reflected Binary code(Gray codeの一種、RBCと略記)とpaper-folding sequence の間に興味ある関係のあることが示されている――RBC のsum of digitsの差分数列をとると、これが Regular paper-folding sequenceと完全に一致する。この現象は興味深いものなので、これの一般化を目指し、期待通りの結果を得ることができた。 以下が我々の得た結果の要点である(J. Theorie des Nombres de Bordeaux誌に掲載予定):1) Regular paper-folding sequence は従来より一般化がなされていた(generalized paper-folding sequence) 2) 村田-神谷の上の論文で、RBCは数論的関数χ_4(mod 4 の Dirichletの指標)から一定の手続きで構成されることが分っていた。この構成方法をそのまま用い、χ_4の代わりに少し複雑な数論的関数を使うと、RBCを一般化したcodeが得られる。 3) この新しく得られたcodeから sum of digits functionを作り、その差分数列をとると、これが Generalized paper-folding sequence と完全に一致することが証明できる。
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