本研究の目的は、三次元球面内の双曲結び目に対する体積予想の完全な証明と、その応用として三次元双曲多様体の変形理論に注目し、双曲構造の変形空間における無限遠点やトーラス・カスプ上の最短測地線を求める方法を開発することです。 実際の成果としては、三次元双曲多様体の代表的な幾何学的不変量であるチャーン・サイモンズ不変量を、結び目の補空間に対して、結び目の図式から簡単に計算する方法の開発、5交点結び目に対する体積予想の解決(ジュネーブ大学のカシャエフ氏との共同研究)、6交点結び目に対する体積予想の解決(京都大学の大槻氏との共同研究)、トーラス・カスプの形を決定する不変量を、ジョーンズ多項式の積分表示に現れるポテンシャル関数の変形を使って簡単に求める方法の開発です。
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