研究概要 |
スピン1/2の相対論的な荷電粒子はディラック粒子と呼ばれ,量子電磁場と相互作用を行う.この相互作用を記述する量子論的ハミルトニアンーディラック.マクスウェル作用素-の数学的解析を行った.ディラック粒子の位置作用素に関する時間発展に対して積分方程式を導き,電荷をパラメーターとして,漸近展開公式を確立した.これと関連して,ディラック粒子のジグザグ運動の輻射補正を求めた.もう一つの重要な研究成果は,ディラック.マクスウェル作用素の非相対論的極限として得られる非相対論的量子電磁力学のハミルトニアンの実効ハミルトニアンのスペクトルを詳しく解析し,水素原子におけるラムシフトを数学的に厳密に基礎づけたことがあげられる.
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