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2009 年度 実績報告書

無限遠の幾何とラプラシアンのスペクトル・散乱・逆問題

研究課題

研究課題/領域番号 21540215
研究機関静岡大学

研究代表者

久村 裕憲  静岡大学, 理学部, 准教授 (30283336)

キーワードラプラシアン / スペクトラム / エンド
研究概要

本研究の目的は無限遠の幾何とラプラシアンの持つ解析的構造の間の関係を調べることである。本年度は、次の二つの問題の解明に成功した:
(1)離散スペクトルの無限性を保証するためのシャープな条件を求めることに成功した。それは、Ricci曲率の下限の無限遠での挙動で表される。さらに、例を挙げ、その条件がシャープであることを示した。結果を粗く言えば、ラプラシアンの真性スペクトラムの下限が(n-1)2k/4である様な多様体が、そのRicci曲率の下限が、十分遠方で、(n-1)(-k+b/r^2)以上であるとき、(n-1)^2k/4未満の固有値は、無限個である。ここで、b>(n-1)^2は定数で、rは、任意の点からの距離関数を表す。また、この曲率条件は、シャープである:実際、回転対称多様体の放射曲率が、十分遠方で、-k+a/r^2以下であるとき、(n-1)^2k/4未満の固有値は、有限個である。ここで、a<(n-1)^2は定数である。また、この結果は、プレプリント・サーバーに投槁済みである。この結果は、ノン・コンパクト多様体のラプラシアンのスペクトル構造の研究において基本的なものになると思われる。
(2)ノン・コンパクト多様体の一つのエンドが、ある条件を満たすとき、ラプラシアンのスペクトルは固有値を持たない。これは、任意の次元の多様体に対して、初めて示された結果であって、重要である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] The radial curvature of an end that makes eigenvalues vanish in the essential spectrum I2010

    • 著者名/発表者名
      Hironori Kumura
    • 雑誌名

      Mathematische Annalen 346

      ページ: 795-828

    • 査読あり
  • [学会発表] Ricci 曲率と離散スペクトルの無限性・有限性2010

    • 著者名/発表者名
      久村裕憲
    • 学会等名
      日本数学会幾何学分科会
    • 発表場所
      慶応大学理工学部
    • 年月日
      2010-03-25
  • [学会発表] Absence of eigenvalues and convergence of radial curvatures to zero2010

    • 著者名/発表者名
      久村裕憲
    • 学会等名
      日本数学会幾何学分科会
    • 発表場所
      慶応大学理工学部
    • 年月日
      2010-03-25

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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