研究課題/領域番号 |
21560590
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
岸本 一蔵 大阪大学, 工学研究科, 准教授 (40234215)
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研究分担者 |
大野 義照 大阪大学, 先端科学イノベーションセンター, 特任教授 (30029194)
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キーワード | 鉄筋コンクリート / 柱、梁部材 / ひび割れ間隔 / 鉄筋付着 / 解析プログラム / ひび割れ幅 / 鉄筋腐食 |
研究概要 |
本研究の目的は、建物が地震による被災を受けた場合に、その建物に対して許容できる変形量を「経年変化により発生する鉄筋腐食(による耐力低下)を考慮した曲げ耐力」との関係から定めることである。 研究対象であるコンクリート構造物ではひび割れによる鉄筋の発錆が部材の寿命を決定する最重要ファクターであり、平成21年度(初年度)には、コンクリート造建物が地震により被災した場合の、部材(柱や梁)に発生するひび割れ幅(最大、残留ひび割れ幅)を求めるため、コンクリート柱・梁部材を対象として、部材に発生するひび割れ間隔を鉄筋一コンクリート間の付着特性による応力の伝達、外部および部材内部の応力の釣り合い等を考慮して求める手法を考案し、それらをプログラム化した。 H22年度は、そこから得た知識を基に、同算定式の検証を行う事、また部材が受ける変形量と残留ひび割れ幅の関係を求めることを目的として加力実験用の柱試験体を設計、作製、加力実験を行った(設計、作製はH21年度に完了)。同試験体に対し載荷試験を行いそこから得られたひび割れ幅、鉄筋のひずみ値等の情報を基にひび割れ幅と各種要因との関連について考察を行い、部材の変形角に応じた最大ひび割れ幅、および残留ひび割れ幅算定法を提案した。なお、前年提案したひび割れ発生位置算定式の検証については、せん断補強筋による断面欠損が原因として発生するひび割れの影響を強く受けてしまい、パラメータの違いによらず全ての試験体でひび割れ間隔がせん断補強筋の配筋間隔の値である100mmとなってしまった。従って提案式の精度について検証することはできなかった。
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