研究課題/領域番号 |
21580176
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
白石 則彦 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (50292793)
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研究分担者 |
広嶋 卓也 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 講師 (40302591)
龍原 哲 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 准教授 (40227103)
露木 聡 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 准教授 (90217381)
松村 直人 三重大学, 生物資源学研究科, 教授 (30332711)
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キーワード | 地理情報システム(GIS) / 衛星画像 / 航空機レーザー計測 / 風害 / 人工林 / ロジスティック回帰モデル / 森林成長モデル / 天然林 |
研究概要 |
リモートセンシングによる樹冠の三次元計測をおこない、上空から得られた樹冠長・樹冠幅・樹高・林木本数の情報を、多様な現地調査による実測値と比較し、幅広い林分密度に応じた計測精度を確認した。さらに、同化器官である樹冠の情報と樹幹の成長との関係を分析し、樹冠情報から多様な林分の集合体からなる広域の森林成長を予測した。さらに、風倒被害地前後の航空機レーザーデータおよび、高解像度衛星によるリモートセンシングデータや現地調査によって蓄積された風倒履歴を解析した。その結果、単木レベルで対象林分の被害木を抽出し、地形や樹冠の閉鎖状態に応じた風倒被害地の詳細なリスクアセスメントをおこなうことが可能となった。具体的には、被害前後の航空機レーザーデータや風況マップを比較することによって、地形データをもとに、人工林と天然林にわけて傾斜方向・標高・樹高の地形および林分因子と被害木の関係を分析した。人工林において、説明変数として設定した傾斜方向は、対象地周辺の観測所で認めちれた最頻の風向と一致した。天然林は人工林にくらべて風倒被害の発生確率は全体的に低かった。さらに、地形の尾根からの距離、集水域などの条件を基礎に、地形因子から樹高成長の大小を予測するモデルを開発した。これによって、地形や樹高に応じた風被害発生確率を広範囲でシミュレートできることがわかった。以上の分析を基礎に、北海道、本州および九州で現地の資源状態や経済状況に応じた最適な施業計画をランドスケープレベルで構築するとともに、地域林業に係る収支、補助金、労働量、炭素蓄積等の長期見通しを示した。
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