研究概要 |
STAT3による標的遺伝子群の発現機序、とくに転写伸長過程を制御する分子群と関与するキナーゼの特定とSTAT3Ser727リン酸化の役割を解析した。その結果(1) STAT3依存的転写伸長時には、CDK9のほか、ELL2やAFF4を含む超伸長複合体(SEC)、CDK12, CDK13が標的遺伝子プロモーターおよび遺伝子上にリクルートされることを明らかにした。超伸長複合体の必要度は標的遺伝子により異なっていた。(2) STAT3Ser727リン酸化が、これまで知られる転写活性の増強作用に加えて、核内のチロシン脱リン酸化酵素TC45を通じてpY705チロシンの脱リン酸化を促進することで、STAT3活性の持続を短くするという新規役割を見いだした。
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