研究概要 |
本研究では、樹状細胞に発現するTIM-4の、制御性T細胞(Treg)機能制御における役割を明らかにすることを目的とする。そのために、まずMHC class II,CD80を高発現するFibroblast株(IC-187 cell)を用いて、Tregとのinteractionを検討した。GFPおよびTIM-4-IRES-GFPを発現するレトロウイルスベクターを作成してIC-187細胞に感染させ、stable transfectantを樹立し、抗原提示細胞として使用した。この細胞と、calcein violetでラベルしたCD4+CD25+Treg細胞を共培養し、時系列でそれらのinteractionを観察した。培養条件を同等にするために、観察はconfocal microscopyでmultiarea timelapse imagingを施行した。その結果、TIM-4発現抗原提示細胞は、GFP発現対照細胞に比し、Tregに強い親和性を有していることが分かった。1細胞に接着しているTreg細胞数を計数したところ、controlでは1.73±1.66個/cellに対し、TIM-4発現細胞は4.73±3.80個/cell (p<0.0001)と、TregはTIM-4発現抗原提示細胞により多く接着しており、時間を追って観察した結果、接触時間も有意に長い傾向が認められた。 現在、TIM-4の細胞表面での局在をより詳細に検討するため、C末にGFP tagを付けたベクターを使ってTIM-4発現樹状細胞を作成し、T細胞-樹状細胞相互作用におけるTIM-4の局在変化を観察している。また、TIM-4欠損マウスの作成も進行中であり、ES細胞の樹立が完了し、受精卵へのinjectionを施行している段階である。
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