研究概要 |
ACMGによるStandards and Guidelines for Clinical Genetics Laboratories (2006)は、Ultra-rare Disordersを対象としたガイドラインである。これをもとに、日本の現状に合わせ、研究施設で行われる分子遺伝学的検査の質を確保するための基準案を作成した。 米国CDCではACCEシステムによる遺伝学的検査に関する収集を行っている。ACCEは、Disorder/Setting(疾患・遺伝子検査の定義や範囲),Analytical Validity, Clinical Validity, Clinical Utility, Ethical Legal and Social Implication(ELSI)の5段階、について、疾患ごとにシステマティックにデータを収集するものである。現在ではより包括的なEGAPP (Evaluation of Genomic Application in Practice and Prevention)プロジェクトにより、重要な病態についてのReviewおよびRecommendationを、4段階プロセスで作成している。EGAPPのシステムについて詳細に検討した。完成されたReviewはこれまでに4つであるが、その一つをもとに、HNPCC(Hereditary Non-polyposis Colorectal Cancer)の日本人データに基づいた評価を行った。 臨床的妥当性・臨床的有用性については、具体的な検討を行った。(A)HNPCCにおけるMSI(マクロサテライト不安定性検査;Microsatellite Instability)検査とミスマッチ修復遺伝子の遺伝学的検査および(B)MEN1/MEN2に対する遺伝学的検査の日本人データを集積し、その有用性を検討した。
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