研究概要 |
平成22年度は前年度にリクルートし、A,B2群に分けたハンチントン病患者13名に抑肝散をそれぞれ12週間ずつ投与し、クロスオーバー試験を行った。すなわちA群は前半12週間抑肝散を服用、後半は服用を止めた。B群はその逆である。試験開始時、12週間後(前半終了時)、24週後(後半終了時)にそれぞれUHDRS、NPI、Barthel Index、MMSE,及び血清カリウム値を含む血算、生化学採血を測定した。これらの数値について、AB両群間、及び投与前後での統計的比較をANOVAで行った(Stata 11.1,Texas USA)。なお統計解析は専門の会社に依頼した。主要な結果として13例で抑肝散使用の有無でUHDRSおよびそのsubscaleである不随意運動についてp<0.1のtendency for differenceが見られた。P<0.05に到らなかったのは主に症例数の不足によると考えられるが奔放における患者数の少なさと震災による諸般の事情を考慮するとこれ以上データの追加は不可能である。今後はデータを整理して論文執筆を進めるとともに学会発表も検討したい。
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