研究概要 |
目的:抑肝散のハンチントン病()HD)不随意運動などに対する効果を検証するため、two-way crossover studyを行った。 方法:13名のHD患者をランダムに二群に分けた。A群は男性4名女性2名、平均年齢47歳、Unified Huntington's Disease Rating Scale(UHDRS)48.5+/-25.3である。またB群は男性3名女性4名、平均年齢47歳、UHDRS74.7+/-23.1であった。A群は前半12週間抑肝散(ツムラ抑肝散医用用エキス顆粒、TJ54)7.5g/dayを内服、後半12週間は服用を止めて観察期間とした。B群には逆の介入(前半観察期間、広範な衣服)を行った。total UHDRS,Maximal Chorea and Maximal Dystonia subscalesの各変数について抑肝散投与による変化の有意差の有無をANOVAで見た。 結果:Total UHDRS(p=0.067)及びMaximal Chorea(p=0.055)は開始前値を補正した場合抑肝散投与で有意な差を示す傾向が見られた。またTotal UHDRS(p=0.089)及びMaximal Dystonia(p=0.073)については補正を行わない場合でも投与により有意な変化を示す傾向が認められた。 P<0.05で有意な変数は認められなかった。 考察:本研究に於いて抑肝散はHD患者におけるUHDRS、とりわけChorea並びにDystoniaを改善する可能性が示唆された。
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