研究課題
基盤研究(C)
本研究では、気分障害における自殺リスクの評価法を、非侵襲的で時間分解能に優れた脳機能画像検査である近赤外線スペクトロスコピーnear-infrared spectroscopy NIRSを用いることで、脳機能動態の観点から検討した。本研究では、単極性うつ病・双極性障害の患者を対象としたNIRS検査をおこないその結果を検討した。得られたデータについて脳賦活反応性の特徴を比較し、また、ハミルトンうつ病評価尺度(HAM-D)などの臨床症状評価尺度で測定した精神症状との関連について検討し、また自殺についてHAM-Dの下位項目である自殺念慮との関連について検討をおこなった。その結果、うつ状態の臨床症状尺度および自殺念慮の重症度と前頭葉の脳賦活反応性が関連していた。このことから、NIRSが気分障害患者の自殺に関連する脳機能動態の測定に有用であることが示唆された。将来は気分障害における自殺リスクについて脳機能画像検査にもとづく予測や介入が応用されることが期待される。
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臨床精神薬理
巻: 13 ページ: 1499-1508
脳と精神の医学
巻: 20 ページ: 75-81