研究課題/領域番号 |
21591600
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
澤田 敏 関西医科大学, 医学部, 教授 (80121937)
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研究分担者 |
狩谷 秀治 関西医科大学, 医学部, 講師 (40368220)
谷川 昇 関西医科大学, 医学部, 准教授 (90227215)
中谷 幸 関西医科大学, 医学部, 助教 (10533424)
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キーワード | 炭酸ガス / 塞栓術 / 腫瘍学 / インターベンション / マイクロバブル |
研究概要 |
【具体的内容】CO2マイクロバブル生成機とカテーテルを直結しCO2マイクロバブル塞栓材を生成機から取り出すことなくカテーテルから注入できるようデバイスを改良した。この塞栓材は、CO2と自家血をミキシングして生成されるCO2マイクロバブルである。本デバイスには注入速度をコントロールする機構を設けていたが,微調整が困難であることが判明した。この対策として、豚を用いた動物実験を行い、カテーテル側での注入コントロールの調整に成功した。引き続き塞栓効果のデータ収集のため豚4頭を用いてCO2マイクロバブルと自家凝血塊による腎動脈塞栓の比較実験行った。片腎をCO2マイクロバブルで塞栓し、対側を自家凝血塊で塞栓し、塞栓前、塞栓直後、1、3、5、10、20、60、120分後の腹部大動脈血管造影を行った。結果、いずれの塞栓にも成功し、直後の大動脈造影で、腎動脈,腎実質の描出はなかった。CO2マイクロバブル塞栓では時間とともに腎動脈の血流は再開通し、腎動脈本幹、二次分枝レベルは、すべての豚で描出され、腎実質も不完全ながら造影効果を認めた。一方、自家凝血塊による塞栓では、賢動脈、腎実質の描出は120分後まで認められなかった。屠殺後取り出した腎は、CO2マイクロバブル塞栓では血管内に血栓を認めず虚血に陥っていなかった。自家凝血塊による塞栓では血管内に血栓を認め腎は虚血に陥っていた。 【意義】CO2と自家血をミキシングしたCO2マイクロバブルは塞栓物質となりうる。これは短時間で開通する塞栓材であり、塞栓か禁忌とされていた臓器にも応用できる可能性がある。また塞栓には炭酸ガス、自家血液以外を使用しないため毒性がない。さらにコストが安価である。【重要性】CO2マイクロバブルは、超短時間型の塞栓であるため化学塞栓術ができないとされていた臓器に対しても塞栓術の適応となり、癌治療、出血などの治療に役立つ。
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