変形性関節症の発症において、加齢は重要な要素であるが、加齢と軟骨変性を結びつける分子メカニズムは不明な点が多い。本研究では軟骨代謝における、老化制御因子SIRT1の機能を検証している。本年度は、軟骨分化におけるSirt1の標的を特定するために、マウス軟骨細胞様細胞ATDC5にSirt1のsiRNAを作用させること、およびSirt1ノックアウトマウスの軟骨細胞を採取し、マイクロアレイ法を用いて、Sirt1遺伝子欠損によって変動する遺伝子検索を行った。現在、統計学的手法を用いて、影響された細胞内シグナルパスウエイの候補を絞る作業を行い、なおかつ、軟骨細胞などを用いて機能解析を進めている。また、Sirt1の生体における作用を検証するために、Sirt1-floxマウスを購入、飼育し、Sirt1の部位特異的ノックアウトマウスを作成してその軟骨組織、骨組織の表現型を解析している。
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