ポータブル装置DL200を用いた睡眠中の生体現象記録システムの有用性を検討するため、20歳代の男性健常者10名と男性bruxist 10名の睡眠中の生体現象を無線テレメータシステム(WEE-6112およびWEB-5000)とDL200を用いて記録した。分析は、無線テレメータシステムとDL200で記録した生体現象から、任意に選択した区間の睡眠段階と心拍数、bruxism発現時の咬筋筋活動の持続時間と積分値をそれぞれ算出後、両装置間で比較した。その結果、いずれの指標値も両装置間で近似し、両装置間に有意差が認められなかった。これらの結果から、睡眠段階と心拍数、sleep bruxism発現時の咬筋筋活動の持続時間と積分値の分析に際し、ポータブル記録装置を用いた生体現象記録システムは、無線テレメータシステムによる生体現象記録システムと同程度の精度で記録できることが確認され、臨床応用できることが示唆された。 ポータブル記録装置DL200で記録したデジタルデータを従来のアナログ処理装置の睡眠脳波解析装置で解析できるか否かを明らかにするため、まず無線テレメータシステムで記録したアナログ信号(信号A)をDL200で記録した。次いで、DL200からの再生デジタル信号を特注DA変換装置を介してアナログ信号(信号B)に変換した。両信号をそれぞれ睡眠脳波解析装置DEE-1100で脳波的睡眠段階を30秒毎に判定、分類後、各睡眠段階の出現率、REM睡眠潜時、REM睡眠持続時間、平均睡眠周期時間、睡眠段階の移行の頻度を求め、両信号間で比較した。その結果、いずれの指標値も両信号間で一致した。これらのことから、ポータブル記録装置DL200で記録した生体現象のデジタルデータは、DA変換することにより、アナログ信号処理の睡眠脳波解析装置DEE-1100で解析できることが明らかになった。
|