研究概要 |
本研究の目的はうつ病者家族の日常生活上経験する困難性を量的に把握する手法を確立することと,うつ病者家族を対象としたプロセスレコードを活用した心理教育プログラムを評価することである.先行研究で作成した「うつ病者家族の困難性尺度」を活用してアンケート調査を行った結果,【うつ病の症状と家族への影響:6項目,寄与率48.15%,α係数=.87】,【依存と訴え:3項目,寄与率12.16%、α係数=.78】,【機能不全:3項目,寄与率9.74%,α係数=.79】の3因子構造であることが明らかとなった.また,統合失調症者家族との比較により,「うつ病者家族の困難性尺度」は疾患弁別性を備えていることが明らかとなった.さらに,うつ病者家族を対象としたプロセスレコードを活用した心理教育プログラムはうつ病者家族が日常生活上経験する困難な出来事を軽減することができたと考えられる.
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