加齢に伴い大動脈などの中心動脈の硬化度(動脈スティフネス)は増大する。動脈スティフネスの増大は心血管疾患の独立した危険因子となる。習慣的な有酸素性運動は、動脈スティフネスを低下させる効果を持ち、心血管疾患の予防や改善に寄与することが明らかにされている。一方、動脈スティフネスは、遺伝的要因の影響も受けることが示されている。本研究では、動脈スティフネス増大の遺伝的リスクの重複が動脈スティフネスに及ぼす影響を検討することを目的とした。これにより、個々人に対応した運動処方を含めた健康生活プログラム開発のための基礎資料を提供することを目指した。本研究にて、動脈スティフネス増大に関連する遺伝子型の組み合わせ(エストロゲンレセプターα-401T/C多型のTT型とアンジオテンシン変換酵素I/D多型のII型の組み合わせ)を有すると動脈スティフネス増大のリスクが著しく上昇する可能性が示唆された。
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