予測モデルとスケール不変性

2011 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 21654054
• 研究種目: 挑戦的萌芽研究
• 配分区分: 補助金
• 研究分野: 数理物理・物性基礎
• 研究機関: 北里大学
• 研究代表者: 守 真太郎 北里大学, 理学部, 講師 (70296424)
• 研究期間 (年度): 2009 – 2011
• キーワード: 非平衡・非線形物理学 / 社会物理 / 情報カスケード / 予測モデル / スケール不変性

研究概要

競馬、天気予報、クレジットリスクに関する予想について、スケール不変性の観点から研究を行った。競馬市場では、単勝馬券の馬の得票率と勝率がほぼ一致することが知られていたが、得票率が1%以下のときは一致せず、得票率0%からカウントした勝馬の数と負け馬の数の間にべき乗則が成立することを見出した。この発見を基礎に、多数の人が集団で予想を形成する過程をモデル化し、集団実験で検証を行った。最大の成果は、ヒトが他人の情報をコピーするという先天的な性質が、集団というマクロレベルの相転移を引き起こすことである。

研究成果

• [雑誌論文] Digital Herders and Phase transition in a Voting model (2011)
  • 著者名/発表者名: M. Hiasakado and S. Mori
  • 雑誌名: J. Phys. A, Math. Theor 巻: 44巻 ページ: 75204-75220
  • DOI: doi:10.1088/1751-8113/44/27/275204
  • 査読あり
• [雑誌論文] Phase transition and information cascade in voting model (2011)
  • 著者名/発表者名: M. Hisakado and S. Mori
  • 雑誌名: J. Phys. A, Math. Theor 巻: 43巻 ページ: 315207-315219
  • DOI: doi:10.1088/1751-8113/43/31/315207
  • 査読あり
• [雑誌論文] Moody's Correlated Binomial Default Distributions for Inhomogeneous Portfolios (2011)
  • 著者名/発表者名: S. Mori, K. Kitsukawa and M. Hisakado
  • 雑誌名: Quantitaive Finance 巻: 11巻、3号 ページ: 391-405
  • DOI: doi:10.1080%2F14697680903419685
  • 査読あり
• [雑誌論文] Exact scale invariance in mixing of binary candidates in voting model (2010)
  • 著者名/発表者名: S. Mori and M. Hisasakdo
  • 雑誌名: J. Phys. Soc. Jpn 巻: 79巻、3号 ページ: 034001-034008
  • DOI: doi:10.1143/JPSJ.79.034001
  • 査読あり
• [学会発表] 投票実験と情報カスケード相転移 (2011)
  • 学会等名: 物理学会
  • 発表場所: 富山大学
  • 年月日: 2011-09-21
• [学会発表] デジタル的に投票する投票者が存在する投票モデルと情報カスケード転移の厳密解 (2011)
  • 学会等名: 物理学会
  • 発表場所: 富山大学
  • 年月日: 2011-09-21
• [学会発表] 週間天気予報の精度とスケール不変性 (2010)
  • 学会等名: 物理学会
  • 発表場所: 大阪府立大学
  • 年月日: 2010-09-24
• [学会発表] 3種類のエージェントのいる投票モデル (2010)
  • 学会等名: 物理学会
  • 発表場所: 岡山大学
  • 年月日: 2010-03-20
• [学会発表] 2種類のエージェントのいる投票モデルの (2009)
  • 学会等名: 物理学会
  • 発表場所: 熊本大学
  • 年月日: 2009-09-25
• [備考]
  • URL: http://sharaku.sci.kitasato-u.ac.jp/mori/index.html