研究課題
本研究では、激甚災害の被害を受けた中山間地域の被災集落を対象に、被災後の高齢者の居住継続と転居、被災者の転出と帰還に焦点をあて、「居住福祉」実現のための条件について、石川県輪島市門前地区におけるフィールド調査を行った。また国際居住福祉会議においてこれまでの成果を論文にまとめ、研究発表を行った。具体的に、(1)居住福祉資源調査、集落コミュニティ・環境調査(被災前後の比較)、(2)震災復興における住宅や神社、農地、山林、公民館、集会所、公共施設の果たす役割、(3)被災後の居住動向、家族構造の把握、(4)高齢者居住調査(居住継続と転居の実態)、(5)被災者居住調査(転出と帰還状況の把握)の5項目について検討し、以下の諸点を明らかにした。1)高齢者の居住とコミュニティの持続を支えている居住福祉資源の存在と役割、2)災害を契機とする人口流出が起きなかった原因と被災者が帰還または地域に止まれた要因3)震災を契機に地域外に転出した人々の居住地選定理由、4)母村の住宅・土地財産の管理・活用の実態、母村コミュニティとの関係さらにこれまでの研究成果を再分析し、『日本の居住貧困』(藤原書店)を出版した。
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日本建築学会計画系論集
巻: 第76巻第6591 ページ: 61-66
Journal of Housing Welfare, 2010
巻: Vol.6(Web)