本研究では、他者とのやり取り場面において、他者の意図および行動を推定しながら自身がより柔軟に行動できるために必要な処理機能について、行動実験による分析と、処理機構を念頭においた機能モデルの提案を目指した。行動実験結果から、他者の意図や行動の推定に必要な情報の抽出と、それらの情報に基づく行動予測・意図推定とともに、推定された他者の意図に合わせ、自身の行動をあらかじめ調整し適切な行動を選択できることが明らかになった。一方機能モデルの構築には、他者から得られる情報の価値の評価機構をより詳細に検討する必要性が示された。
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