研究概要 |
在日外国人児童に対する安全教育の実態と児童の安全意識について明らかにするために,平成21年度は現状の把握を主たる目的として研究活動を行った.在日外国人児童の安全教育や安全意識については,先行研究が見当たらない.そのため,ヒヤリングや調査による現状把握は非常に重要であると考えている. まず,在日外国人児童に対する安全教育の現状を把握するために,浜松市内の外国人児童が多く通っている公立小学校に対してヒヤリングを行った.併せて,浜松市教育委員会にも同様のヒヤリングを行い現状把握に努めた.その結果,公立学校においては日本人同様の安全教育は行われているものの,言葉の問題や生活習慣の違いから多くの問題点が指摘された.また,家庭環境が日本人とは大きく異なるため,家庭内での教育や家庭や地域との連携による教育効果はあまり期待できないことが明らかとなった. ヒヤリングの結果をもとに,外国人児童の安全意識や知識,行動について,質問紙による調査を行った.この調査は,当初平成22年度に行う予定であったものを,一部前倒しで実施した.その理由としては,研究代表者は,日本人児童に対して平成21年度に同様の調査を実施しており,この結果と比較させるために,先に児童対象の調査を実施することとしたためである.調査結果は現在集計中であるが,日本児童と比較することにより,外国人児童の抱える問題点が明確になっている. 研究計画の変更により,当初平成21年に予定されていた外国人学校を対象としたヒヤリング,調査は平成22年度に行うこととした.
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