地域との連携協力に基づいた教員養成に関して平成21年度内に開発したプログラムを、帝京平成大学現代ライフ学部児童学科に在籍する学生を対象として行い、以下の成果を得た。 まず、教職を志望する学生を対象とした事前指導を行った後に、公立小学校等で週1回のボランティア活動を行い、活動日ごとの報告書を大学の担当教員へ提出、活動終了時に学生が総括的な自己評価をレポートとして提出するという学習プログラムを実践した。平成22年度の初年次学生の自己評価から、学校ボランティア活動が初年次学生にとって、教職の意義や役割等について知り、考える機会となっていることが明らかになった。また、学習支援等に関する自分の力不足を学生が認識し、教育等について学ぶ意欲をもつ契機となっていることもわかった。学生が活動した市原市内の公立小学校を対象とした調査から、学生のボランティア活動が、子どもの学習活動支援、環境整備支援、安全対策支援のいずれでも有効であり、特に普通授業時の支援や個の子どもに応じた学習支援における有効性が広く認知されていることが明らかになった。 次に、学生の科学者や科学技術に対する親近感の向上と科学的情報の理解や情報を正確に伝えることの重要性の認知を目的として人権尊重を基盤に据えた学習プログラムを作成した。このプログラムには千葉県市原市健康福祉センターの保健士による講習を導入した。受講した学生を対象とした調査から、科学者に対する先入観と担当講師との違いが認識され、教職を志望する学生が将来的に役立つプログラムであったと評価される傾向にあることが分かった。
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