超音波ならびに短波長紫外(UV)光を用いて有効な反応場である反応活性霧を発生させ、その霧を用いた有機汚染ガスの分解実験を行った。超音波霧化により生成する粒子はマイクロオーダーの粒子であると報告されてきたが、走査型モビリティー粒径分析器の使用により、サブミクロン領域に主要な粒径ピークを持つことが確認された。また、難水溶性の有機汚染ガスであっても、水の表面に存在するOHラジカルと効果的に反応し、UV光と光触媒含有霧を用いることで高い除去率が得られることが示唆された。さらに、有機汚染ガス分解時には、水溶性の中間生成物がミスト中に取り込まれ、後段への二次発生の抑制に効果的に働くことも確認された。一方、光触媒を含まない過酸化水素と短波長UV光を用いた系においても霧表面にOHラジカルが生成している可能性が示されたが、その量は少なく、有機汚染ガスの除去率はOHラジカルの生成速度に依存した。
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