ラオスにおいてチベット・ビルマ系、モン・クメール系の危機言語、少数言語の調査を行った。調査地はラオス北部ポンサーリー県、ルアンナムター県、ウドムサイ県、シエンクアーン県、ボーケーオ県、ルアンパバーン県である。調査は、2010年8月に27日間、2010年12月および20011年1月に19日間、2011年3月に20日間行った。調査したチベット・ビルマ系言語は、アカ・ペン(ボチェ)語、ルアンナムター県のシラ語、プサン(パザ)語、コンサート(スマ)語、パナ語、クー語、ラーオセーン語、ムチ(ワニュ)語、ロロ語、ルマ語、パラ語である。調査したモン・クメール系言語はサームターオ語、ウードゥー(イドゥッフ)語、テーン語である。 アカ・ペン(ボチェ)語については、収集済みの303項目の語彙のチェックを行った。ルアンナムター県のシラ語、プサン(パザ)語、コンサート(スマ)語、パナ語、クー語、ラーオセーン語、ムチ(ワニュ)語については、収集済みの866項目の語彙のチェックを行い、平均して約9割終了した。ルマ語、パラ語については866項目からなる語彙調査票を用いて語彙調査を行い、それぞれ約9割、約5割の項目を収集した。クー語については未調査のいくつかの村落において303項目の語彙調査を行い、その結果クー語にはかなりの方言差があることが分かった。ロロ語は1822項目からなる語彙調査票を用いて語彙調査を行い、約6割の項目を収集した。サームターオ語とウードゥー(イドゥッフ)語については、収集済みの303項目の語彙のチェックを行った。テーン語は303項目の語彙調査を行い、さらに、604項目からなる語彙調査票を用いて語彙調査を行い、その約9割の項目を収集した。
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