ラオスにおいてチベット・ビルマ系、モン・クメール系の危機言語、少数言語の調査を行った。調査地はラオス北部ポンサーリー県、ルアンナムター県、シエンクアーン県、フアパン県、ルアンパバーン県である。調査は、2011年8月に24日間、2011年12月および20012年1月に20日間行った。調査したチベット・ビルマ系言語は、クー語、ロロ語、ラーオセーン語である。調査したモン・クメール系言語はサームターオ語、ウードゥー(イドゥッフ)語、テーン語、ドーイ語、シンムーン(クシーンムール)語、ビット語、ボーン・ピアット語、ポーン・ペーン語、ポーン・タプアン語、ポーン・プン語、ポーン・ラーン語である。 クー語については、数種の方言において、収集済みの303項目の語彙のチェックおよび追加の語彙調査を行った。ロロ語については、1822項目からなる語彙調査票を用いて語彙調査を行い、約8割の項目を収集した。ラーオセーン語については、収集済みの866項目の語彙のチェックを行った。サームターオ語については、ルアンナムター県ナーレー郡の村で、未調査の方言の303項目の語彙調査を行った。ウードゥー語については、604項目からなる語彙調査票を用いて語彙調査を行った。テーン語については、収集済みの303項目の語彙と604項目の語彙のチェックを行った。ドーイ語、シンムーン語については、収集済みの303項目の語彙のチェックを行った。ビット語、ポーン/ピアット語、ポーン・ペーン語については、収集済みの303項目の語彙のチェックおよび追加の語彙調査を行った。未調査だったポーン・タプアン語、ポーン・プン語、ポーン・ラーン語については、303項目からなる語彙調査票を用いて語彙調査を行った。その結果、ポーン語にはかなりの方言差があることが分かった。
|