量子スピン系の巨視的物理量、量子非平衡系における時間反転対称性について解析を行った。本研究では (i)量子スピン系におけるマクロな物理量の可換な行列による近似 (ii)非平衡過程における時間反転対称性の破れの度合いについての解析を行った。量子系における同時確率分布を考える上で、巨視的物理量の非可換性がどの程度のものであるのかを見極めるのは重要であるが、巨視的物理量の組がいつも可換な行列で近似できるというのを示したのが(i)の結果である。 (ii)は時間反転対称性の破れについての解析で、今まで知られていた大偏差的関数が、時間反転対称性の破れの度合いを表すものであることを示した。
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