物体内部の構造を三次元で観察できるX線CTは、空間分解能の向上とともに、産業分野での注目を集めており、急速に普及・発達しつつある。さらなる空間分解能の向上のためには、3つの要素技術が考えられる。点光源として用いるX線源の微細化、ベアリングを用いない試料回転機構、X線に対するコントラストの向上である。本研究では後者2つについて検討を行った。ベアリングレスのモーターシステムとして、連続回転するスピンドルモーターを使用し、高速カメラを組み合わせることで、試料の回転を止めずにCT撮影することに成功した。高コントラスト化については、検出器のシンチレータ-を薄くすることで、高エネルギーなX線に対する感度を大きく低下させ、低エネルギーのX線に対する感度を相対的に向上させた。これにより、高分子材料の種類の違いを区別できるコントラスト性能を達成し、高分子材料におけるX線CTの利用の可能性を大きく切り開いた。
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