研究概要 |
港湾施設はその大部分が水面下に構築されるため,その整備や点検・診断,維持・補修の多くは水中での作業となるが,現状ではこれらの作業について潜水士に依存している.そこで,過年度に行った水中バックホウの遠隔操作に関する成果を基に,維持補修を目的とした重作業用マニピュレータとして,水中バックホウの利用を提案し研究を行う. 本研究では,フォークグラブアタッチメントに軽作業用電動アームを取り付け,水中で重量物を把持しながら,溶断・孔開け等の作業が行える作業機械システムを遠隔操作するインタフェースについて研究を行ない,水中作業における機械化・無人化に繋ぐものである. 平成21年度はベースとなる当所所有の水中バックホウのフォークグラブ操作を行なう左手インタフェースを開発し,複数の制御方法について実験を行なった. 平成22年度はバークホウフォークグラブに3軸自由度の電動アームを設置し,前年度成果のインタフェースによる制御を行った. (研究成果) 利き手ではない側での操作の場合,複雑な操作入力や情報呈示は混乱を招く恐れがある.そこで直動スライダにより位置情報を呈示,押付け力を入力とする操作インタフェースを製作した.これは左手首の力を力センサで感知,Slaveの移動速度とし,Slaveの位置とインタフェースの位置を合わせることでSlaveの位置情報を呈示するインタフェースである. 本インタフェースによりバックホウに新たに設置した電動アームを制御し,重量物を把持しつつ溶断など複雑な作業を実現した.
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