接合型変換は、ゲノム上の mat 領域で起こる相同組換えに起因するが、その反応機構は不明である。分裂酵母 Swi2-Sw5複合体は、この相同組換え反応に関与することが知られていた。そこで、本研究は、Swi2-Swi5複合体を精製し、その生化学的機能をあきらかにし、接合型変換の試験管内再構成系を構築して解析することによって、その反応メカニズムを解明することを目的とした。その結果、Swi2-Swi5複合体は、それ自体単体でD-loop形成活性を有することを発見した。Swi2には、ATフックドメインを含むN末端部位と、この配列を含まないC末端側の2つのDNA結合ドメインがあるが、実際に2つのドメインのそれぞれがDNA結合能を有することを証明し、さらに、C末端側のドメインにD-loop形成活性があることを示した。これらの結果はSwi2-Swi5複合体が接合型変換時の組換えに直接関与することを強く示唆するものである。
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