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2010 年度 実績報告書

光クロスリンク法によるタンパク質間相互作用ネットワークの解析

研究課題

研究課題/領域番号 21770195
研究機関独立行政法人理化学研究所

研究代表者

佐藤 文  独立行政法人理化学研究所, 拡張遺伝暗号システム研究チーム, 特別研究員 (30469902)

キーワード蛋白質 / 光クロスリンク / 非天然型アミノ酸 / 分子間相互作用
研究概要

「光クロスリンク法」は,生細胞中で形成されているタンパク質複合体を安定化して単離し,解析することのできる新しい研究手法である.本研究では,光クロスリンク法をタンパク質間相互作用ネットワークの解明に応用することを目的とする.光クロスリンカーを導入する適切な位置は,タンパク質結合ドメインによって異なっていると考えられるので,光クロスリンク法を用いるためには最適な部位の特定が必要となる.
本年度は,ガンキリンのアンキリンリピートドメインとS6 ATPaseについて,前年度に解明した,最も効率よくクロスリンクが生じる位置に光クロスリンカーであるパラベンゾイルフェニルアラニン(pBpa)を導入し,光を照射してタンパク質間に共有結合の架橋を形成させ,ガンキリン・S6タンパク質の架橋複合体をX線結晶構造解析することに成功した.これは,光クロスリンク法がタンパク質間相互作用ネットワークを分子構造のレベルで解明するために有用であることを示している.
また,光クロスリンカーをはじめとする非天然型アミノ酸をタンパク質に部位特異的に導入する方法として,「RFゼロ」株を開発した.大腸菌において,7つの必須遺伝子とサプレッサーtRNA遺伝子を導入することで,終止コドンの1つであるUAGを認識する翻訳終結因子RF-1をノックアウトすることが可能となることを見出し,UAGコドンに非天然型アミノ酸をコード化することに成功した.これにより,非天然型アミノ酸をタンパク質の組み込む効率が飛躍的に高まり,また,多数の非天然型を1つのタンパク質に組み込むことも可能になった.

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2011 2010 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Genetic Incorporation of a Photo-Crosslinkable Amino Acid Reveals Novel Protein Complexes with GRB2 in Mammalian Cells.2011

    • 著者名/発表者名
      樋野展正、尾山大明、佐藤文、向井崇人、伊良波史枝、林明子、秦裕子、山本雅、横山茂之、坂本健作
    • 雑誌名

      Journal of molecular biology

      巻: 406 ページ: 343-353

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Crystallographic Study of a Site-Specifically Cross-Linked Protein Complex with a Genetically Incorporated Photoreactive Amino Acid.2011

    • 著者名/発表者名
      佐藤心、三桝信哉、佐藤文、樋野展正、坂本健作、梅原崇史、横山茂之
    • 雑誌名

      Biochemistry

      巻: 50 ページ: 250-257

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Codon reassignment in the Escherichia coli genetic code.2010

    • 著者名/発表者名
      向井崇人、林明子、伊良波史枝、佐藤文、大竹和正、横山茂之、坂本健作
    • 雑誌名

      Nucleic Acids Research

      巻: 38 ページ: 8188-8195

    • 査読あり
  • [学会発表] 大腸菌におけるRF-1ノックアウトによるUAGコドンの再定義2010

    • 著者名/発表者名
      佐藤文、向井崇人、林明子、伊良波史枝、大竹和正、横山茂之、坂本健作
    • 学会等名
      第5回 無細胞生命科学研究会
    • 発表場所
      岡山市
    • 年月日
      20100929-20100930
  • [備考]

    • URL

      http://protein.gsc.riken.jp/sakamoto/

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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